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柔軟なプリント回路で医療機器の設計における問題を解決する

ウェアラブルで携帯可能な医療デバイスは、継続的なリアルタイムフィードバックを提供し、遠隔医療の実現を支援します。たとえば、ウェアラブルモバイルデバイス内のセンサーはリモートで血糖値、血圧、心拍リズム、脈拍、その他のバイタルサインを監視できます。技術の進歩により設計者は、モニタリングを行うだけでなく、患者の自宅で、病院やその他の医療施設から離れた場所で診断し、治療も提供できる携帯用医療機器を開発することが可能になりました。

次世代の携帯医療機器は快適に着用でき、患者の日常生活に耐え得る堅牢性を持つ必要があります。これと同時に、正確なデータを送受信できなくてはなりません。これらの要件は競合することが多く、設計上の大きな課題になります。今日、医療デバイスを設計するエンジニアが考慮しなければならない3つの問題を以下に挙げます。

1. 重量

患者の利用を促すには、デバイスは小さく快適なものでなくてはなりません。このことは、小さなスペースに収まる軽量の回路の必要性を生みます。スペースと効率を最大化するために、たとえば、折ったり曲げたりしなくてはなりません。

フレキシブルプリント基板(FPC)とフレキシブルプリンテッド・エレクトロニクス(FPE)ソリューションは、医療機器設計に組み込まれたコンスーマエレクトロニクスにおいて実績のある技術です。FPCとFPEは小さなパッケージ内のスペースを最適化する上で役立つため、インスリンポンプ、患者用ウェアラブルモニタリングデバイス、ポータブル除細動器、睡眠時無呼吸症状の治療に使用する持続的気道陽圧装置などの製品において有用です。

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フレキシブル回路の恩恵を受ける患者用ウェアラブルモニタリングデバイス

FPCとFPEは立体化できるため、パッケージにあわせて折り曲げたり、小型筐体に入るよう畳むことができます。その他の利点としては、片面、両面、多層のフレキシブル回路基板により、高性能な信号と給電の接続に理想的です。デバイスのパッケージサイズは小型化し続けるため、フレックス回路の採用は必須です。デバイスのパッケージサイズは小さくなり続けるため、ブラインドビア、埋め込みビアなどの機能を組み込むことは柔軟性を維持する上で役立ちます。

つまり、信頼性の高いフレックス回路は複雑で高密度の回路の小型軽量設計に優れた選択肢となります。従来の回路基板より大幅に薄くて軽量なフレックス回路は製品を軽量化し、患者の動きやすさと快適性に貢献します。

2. シグナルインテグリティ性能

ガラスクロスファイバーを含むリジッドな回路基板は信号損失を起こしやすいものです。一方、フレックス回路に使用されるポリイミドなどの素材は信号を維持し、給電の完全性も確保します。たとえば、ポリイミドは熱を素早く発散するため、フレックス回路はより少ない冷却でシグナルインテグリティ性能を確保できます。さらにフレックス素材は熱膨張率に緻密に合わせることができるため、携帯用医療アプリケーションにおいて変動が見られる高温や低温の極限状況であってもより優れた信頼性を維持します。

3. パッケージ最適化

優れた設計の機械式パッケージは一貫した性能を示し、機械的に安定し、空気の流れを促進するため、コネクター、トランスミッター、レシーバー、抵抗器、コンデンサーを含むさまざまな電子コンポーネントを組み込むことができます。XおよびY平面における回路トレースのみを可能にするリジッドな回路基板とは異なり、フレックス回路では、設計者は曲面に沿った回路や複数の任意の軸方向へのルーティングを行えます。

効果的なパッケージの設計は、デバイス設計者とそのサプライヤーが参加する共同作業プロセスです。モレックスは顧客と連携し、信号強度と機械的インテグリティをフレックス回路のルーティングに最適化します。

さらに、最適化されたパッケージ設計では「リジッドフレックス」回路が必要になる場合があります。これはリジットとフレキシブルの両方の基板を1つの構造に積層したものです。たとえば、抵抗器、コンデンサー、コネクター、プロセッサーなどのいくつかの電子部品が含まれるデバイスのセクションがあり、これらはリジッドですが、フレキシブルな電子的な「テイル」がリジッドのセクションから延び、インターフェースコネクターの必要性を排除します。

モレックスの優位性

医療技術は拡大し続けるため、デジタル接続は、デバイス設計者が医療費削減に貢献する新たなデバイスを構築する機会をもたらします。そのプロセスにおいてフレックス回路が重要な役割を果たすことは明らかです。モレックスは、次世代の医療診断テクノロジーを実現することにコミットする顧客をサポートするための専門知識を備えています。

フレキシブルプリント基板(FPC)について詳しくお読みください。